あたしの唇に息が触れる。

ダメ、、これ以上はダメだよぉ…。


「椎菜」

「名前で呼んで?」

そう、変態野郎の長い前髪があたしにふりかかる。


心臓がおかしくなっちゃいそうな距離。

もぉ……ダメだ。

でもこのままだとキスされちゃうかもしれない。

バクバク高鳴る心臓を抑え、あたしは勇気を振り絞った。

「れ…れ…れれ廉」

……のに

「ダメ。俺を見て呼んで」

そ、そんなああ…。


「離してよぉ…。」

変態野郎の腕の中でもがくも男の人の力に敵う訳もなく、さらに力が入る腕。