ど、どうしたらいいの?
アタフタしている間に、あたしはあっという間に変態野郎の両腕に収まってしまった。
「や、やだ。は……離れてよ……」
顔が近づいてくるから、耐えきれずに目を伏せてしまった。
「名前で呼んでくれたら、離れてやるよ?」
長い前髪の間から見えるブラウンの瞳、、。
身動きが取れない。
その瞳にあたしは吸い込まれてしまいそうになる。
「た、た…たた谷村くん//」
「廉」
「むむ、無理……だよ」
あたしは目を伏せたままフルフルと首を横に振った。
「ちゃんとこっち見ろって」
あたしの頬をクイッと持ち上げて、フッと笑うコイツ
「ま……待って………」
「待てねぇよ」