な……なに?

動揺するあたしに変態野郎はフッと微笑んで、あたしの髪に指を絡める。


ふわぁって、甘い香りがあたしの鼻を優しく撫でる。

鼻に息がかかるほどの距離。


ドクンドクン

ち、近いよぉー…

そんなあたしなんてお構い無しに、挑発するような顔でジリジリと近づいてくる。

「ちょ……ちょっと」

ここには今、あたしとコイツの二人だけしかいない。


「椎菜」


あたしは後退りをしたけど、すぐに後ろの壁によって動きが止められてしまった。