「え…?」

 風が落ち着き、視界が開ける。
 桜並木の向こうには、あたしと同じ学校の制服を着た男子が立っていた。

 これで学校への行き方が分かる!

 歩き始めた彼の後ろ姿を見失わないように、あたしも駆け出した。


 彼の10歩ほど後ろを歩き続けて約10秒後。
 ちょっとした地面の凹凸にとられる足。
 ふらつく下半身。

「ふぇっ!?」

 ―どしゃっ

「いったぁーっ」

 思いっきり前のめりにこけてしまった。
 手足のジンジンと来る痛みと、あまりの恥ずかしさで頭が真っ白になったその時。

「え…大丈夫?」