やっぱり嫌いになった?
なんだこいつ、って思った?
「嫌いになんかなるわけないじゃん。健のこと」
え?
「あーあっ!そんなに大胆告白されちゃ、あたしの入る隙間なんてない」
亜美は吹っ切れたように笑う。
「健があたしを好きにならないことくらい、自分が一番よくわかってたよ。それでもいつかはっ…て信じてる自分がいたの。愛美が来てからも」
亜美は歩きながら話す。
「愛美はさ…すごくいい子だよ。でも、自分の中の嫌な自分が愛美を嫌ってた。香織達が愛美をいじめてた時も、止めなきゃって思う反面、傷つけばいいって思った。最低だった。ごめん…」
「謝るのは俺じゃなくて愛美に頼む…」
「そうだね。後で謝る。」
亜美は上品な笑みを見せた。
「健、好きにならせてくれてありがとう」