「見てりゃあわかる。何の話しても誰が話しても、視線は愛美だったし。」
そんなにだったか?
「俺が気付いたくらいだったからな、紗理奈もわんちゃんも気付いてるよ。」
「恥ずかしい…」
「ま、いんじゃね?愛美は気付いてないだろうし。」
ふぅ、と大吾が息をついた。
「この際だからゆっとく!俺は紗理奈が好きだ。」
「知ってる。」
「そうか、知ってんのか…、ってえっ!?」
「小学校から一緒なんだ。お前のタイプくらいわかるし、紗理奈につっかかりすぎ。」
「まじかぁ…やっぱやりすぎ?」
「いや、大丈夫だろ。紗理奈も気付いてない。藤に夢中だし。」
「俺はいいんだ。藤ならかなうことないだろ?ずっと一緒にいる俺のほうが有利だ。」
「そうだな。」
心ではあまり思ってなかった。
なんか藤は…
紗理奈を特別に思ってる気がする。
俺にとっては大吾も紗理奈も大事だから、難しいところだな。
でも紗理奈にとっても大吾にとっても、2人が付き合うことがいいと思う。