「いいから。黙ってされてろ。」

いいからって・・・。

なんでだろう。ものすごく安心する。

ヒサの体温がゆっくりあたしの中に伝わる。

「ヒサ、なんか香水つけてる?」

「あぁ。」

不意に鼻を甘い香りが通り過ぎた。

桃のような甘い匂い。

「この匂い好き・・・。」

「・・・・。す、少し寝てろ・・。」

今噛まなかった?

そう聞こうとして、ヒサの顔を見ようと上を向くと、ヒサの顔はほんのり赤くなっていた。

「顔赤いよ?」

「あ、赤くねぇ・・・」