「…」


「許した、その日から自分と闘わなきゃいけない。どうしてアイツは浮気してしまったんだろう?私、何かいけなかったかな?」



「サクちゃん…もういいよ」


「眠れない夜を数えて、涙が出そうなのを必死こらえて、窒息しそうになりながら、夜が更けて行くの。それはもう、体の痛みなんて心の痛みに比べたらどうって事ないくらい…苦しい。」



ふと手首を見ると、サッと隠す姿が痛々しかった。


「でも、次の日は何て事ないように振る舞わなくちゃいけなくて、あんたに触れられる度、愛を囁かれる度、狂いそうな程の気持ちを抑えてあんたに笑いかけるのよ?もう、浮気はしないと誓った上で彼女を今から苦痛と闘わせる覚悟はあんのって聞いてんの!!」