『我が儘言うなよ。俺は、お前にとっていい環境だと思うよ。』



「本気で言ってる?」



『本気も本気。』


このやろう…



「…戻ろうかな。先生は?」



『俺と入れ代わりに出ていった。』



と鍵をヒラヒラと私に見せた。



『鍵あげる。だってさ、変な保健医だよな』




「そうね…あのさ。」



『ん?』



「先生の名前なんだっけ?」



結構どうでもいいけれど。



『…さぁ?』



またしても、名前が分からぬまま、保健室を後にした。