肩に手が触れて、ゆっくり振り返った。




『一葉、ダメじゃない。私の話聞いて?逃げたりしたら、ダメじゃない…』



血まみれの母さんが、私に笑いかける。



「母さん、どうしたの?血が…」



聞くな!!話すな!!



『えぇー何を言っているの?あなたのせいじゃない。あなたが…私を…』




イヤ!!



バッと目が覚めると、今度は知らない草原に寝ころんでいた。



「どこ?」



本当は、どこでもよかった。



母さんが居ないならば…



夢から覚める事なく、私何か…



「消えればいいのに…」