『休んでいいから、帰るなよ』



こっちを向きもせず、書類を書きながら保健医はそう言った。



なんだか、なぁ…



この人、鋭い。



「じゃ、遠慮なく。」



『矢倉はどうした?』



「いつも一緒てわけじゃない。」



『そうか。次は体育か。』


知ってるなら、聞くなよ


「…先生、おやすみ」



『おやすみ』



とクスクス笑う保健医。本当にいい性格をしてると思う。



ワァ~

アハハ…


とても楽しそうに聞こえる、グラウンドからの声。



別に、病気なわけじゃない。



気持ちのもちようだろうけれど、辛いものは辛い。