「今更、弁解するほうが変だし、もういい。」



と、つっけんどんに言い放つ事しか出来ない自分の不器用さがイヤになる。



『ふーん、さっ帰るか。』



と腕時計を見る仕草をしたカズを見て、ふと思った。



さっき、話し掛けてきた女、やたらベルトの大きな腕時計をしていたな、と。



「…」



しばらくカズの腕時計を凝視していると



『なに?』



と聞かれて顔をあげると、かなり至近距離で目があった。



「別に」



『そっ。』