『良かったぁ、さっき話かけた時、返事なかったから名前間違えて怒らせたのかと思っちゃった。』



やんわりと笑って、私の隣の席に座った女。



話しかけた?私に?



全く記憶にない。



私、相当トリップしてたのかな?気をつけよう。



「何か用事ですか?」




『用事なんてないよ。話してみたかっただけ、あと…入学初日に矢倉君があなたについて面白い紹介をしてくれたから気になったの』



カズ…何言ったの。




ピロリンと間抜けな音がすると、女はケータイを取り出して、メールを見ていた。