ふと、回想から戻ると教室はガランとしていた。



時計は4時を回っていて、授業はすっかり終わったらしい。



ケータイにはカズからのメールが入っていて



“ちょっと実家に用があるから先に帰ってて”



と書いてあった。



アイツ、部活入らないのかな?



そんな事を考えていると教室の扉が開いた。




『佐久間さん?だよね?』



誰だろう?



まだ、担任の名前も覚えてないのに…見ず知らずの人の名前なんて全く出て来ない。



とりあえず



「はい」



とだけ返事をした。