『莉紅ちゃんは?』



「莉紅は、うちの実家にいるぞ。朝来て、カメラ取りに帰った」



『莉紅ちゃん、喜んでたでしょ。女の子が産まれて』



「男の子でも、同じ位喜んでたと思うぞ莉紅は。」



『そうですね…あっ、起こしちゃった。』



赤ちゃんは、同時に目を開けた



手と足をチグハグに不器用に動かして



ただ一生懸命生きてる…



手を伸ばすと、私の指をぎゅっと握った



思ったよりも、ずっと力が強くて



何だか胸が締め付けられるような気持ちになった。