『…っ』



母さんは泣きそうで、必死に堪えていた涙が私に移ったように涙が溢れた



「ありが…とぉ…っ…」



母さんも泣いた…



二人して、向かい合って馬鹿みたいにボロボロ涙を零している



「私を、こんな…私を…母さんと呼んでくれて、ありがとう…」



…違和感があった



そうか。



『母…さん?私の名前、呼んで?』



「でも…」



『お願い。』



「一…葉…」



『なに?母さん』



「おかえりなさい。」



やっと母さんから自分の名前を聞けた



ちゃんと、私に向かって飛んできた言葉が嬉しくて



笑顔がこぼれた。