「あなたが、30分前からそこに立ってるの知ってたんだけど、待ちきれなくて開けちゃったわ。どんな形で再会しても、怖がらせてしまうと分かっていたから…」



まだ頭が上がらない…



私の意気地なし…



「中に入らない?美味しいケーキがあるの」



言葉に抑揚はないけれど、母さんはどことなく嬉しがっている気がした



頷いて、一年振りに我が家へと入った。


綺麗に掃除された玄関



写真立てが並べられている片付いたリビング




あの日のままなわけがないけれど、私の記憶は止まったままで…



散らかっている室内を想像していた。