かれこれ、30分。



インターホンをゆび指したまま固まっている。



『私、変質者みたい。』



と溜め息をついた瞬間



ガチャ…



ゆっくり扉が開いた



足が勝手に逃げようとする



あの日と同じシチュエーションに、体が反応してしまう



でも、ダメ!!



必死に言い聞かせて足を踏みとどまらせた。



「おかえりなさい…」



『っ…』



ただいまと言いたいのに、声が出ない。



顔を上げたいのに、頭が有り得ない位重い。