『一刃?』



と葉さんから呼ばれ、自分が黙り込んでいた事に気付いた。



「ちょっとぼーっとしてた」



『ぼーっとしてるというより、思い悩んでるって感じだったけどな』



とコーヒーを飲む葉さんはかなり落ち着いている



「平気…そうだね」



『さっき、死ぬ程焦ったからな』



「もう心配じゃないの?」



『心配じゃないわけがない。けど、一花が記憶喪失じゃないって知って、必死に守ってきたつもりが、守られてたんだって思うと心底、自分を情けなく思ったよ。と同時に強いなって思った。』



だから、俺も信じてみる



そう言って、俺から視線を逸らした