一葉を思うと



胸の内側を削がれたような



甘く痺れるような痛々しい気持ちが体中に広がる




ふいに、涙が出て



「わ…かった…」



途切れ途切れにそう言って、一花さんの手を、少し痛い位に掴んでこう言った



「あなた達が、守れないと言うのなら………僕が…守るから…」




その手で、一葉を傷つけるのなら、触れないで欲しい



一葉が少しでも笑っていられるように、俺が守っていくと



自分に誓った。






なのに…




それは簡単な事じゃなかった



一葉の前から消えようなんて思った時点で破ったも同然なんだから…




最低だな…俺。