見つからないうちに離れようとした。



いや、見つかる気がする




…なんとなく分かっていたけれど、面倒事に巻き込まれたくない一心で、二人揃って少し体勢を低くしようとした瞬間




「あっ、さくちゃーん!!」



馬鹿みたいにデカい声で私を叫んだ。



周囲の人間はみんな奏を振り返って、その奏が手を振っている私をチラチラと見る…



馬鹿みたいには間違いだ…



奏は馬鹿だ。



最悪だ…



新年早々、こんなにも人に注目されるなんて思わなかった。