涙がこぼれ落ちてしまいそうで、必死に堪えた



カズの不思議そうな顔は一変して、心配している



『あのね…』



イヤだ



言いたくない



カズの傍に居たい



素直にそう言えたら…



でも、もう縛りすぎた



このままじゃ、カズが可哀想だ



『お正月、母さんに会いに行くよ』



言って…しまった



カズは、少し目を見開いて



「分かった」



と返事をした。



すくっと立ち上がったカズは、ギュッと私を抱き締めた



『な…に?』



「一葉が元気になるおまじない」




『バカ…』



少し位、いいよね…



甘えても。



私に残された時間の中で、この幸せが許されますように…



そう、願った。