なんだか…カズが遠くに行ってしまうような気がしたから。



『一葉?』



ボーっとしたままカズをみつめてしまっていた。



「…なに?」



『いや、別に…』



と私の手を引いて中へ入った。



手を繋ぐ事なんて、いい加減なれればいいのに…



心臓がドクドク言って、その音が聞こえてしまうのではないかと不安になった。



てか…



「手離して…よ!!」



『悪い悪い』



と全く悪びれた様子もなく、手を離した。



会場の入口から、道は真っ暗だった。



薄明かりを頼りに出口まで行くと、そこには大きな星空の写真が一枚と、それに見入ったカズがいた。