保健室へ行く途中、何度となく吐きそうになった。



『あんな熱気のある場所なんか入るんじゃなかった。』



と独り言をこぼして、保健室を探した。



やっと見つけた保健室は鍵がかかっていて、どうにも開きそうになく


諦めて、その場に座り込んだ。


廊下を挟んだ窓から、桜の木が見えて、カズと遊んだ記憶が蘇った。



何も知らない、純粋な子供だった過去の自分が羨ましい。


出来るなら、戻りたい。


桜がヒラヒラ舞うのをみるだけで笑う事ができた自分に。