「一葉、早くしないと遅刻する」


玄関のほうから声が聞こえた



カズと暮らして3ヶ月が経とうとしていた。


今日から、高校生になる。


正直、億劫で高校なんて行きたくなかった。


制服のリボンを整えて鏡に映る自分


仏頂面で、目つきがよくないせいか、自分の顔なのに怖いとすら感じてしまう。


『似合わない』


とボソッと呟くと


「似合ってるじゃん」


と背後から声が聞こえた


『勝手に入らないでって言ってるでしょ?』


「いつまで経っても来ないお前が悪い」


と悪態をつかれ、欠伸をしながらドアにもたれかかっている