「私ね、今好きな人と二人で暮らしてるの…でも、その人ね、私の母さん…一花さんが好きなの。あの日聞いちゃったの…母さんが車にひかれた日…私は、病院行くのに時間がかかってしまったけれど。病室へついた時に、私の好きな人が目を覚ました母さんに“僕が守るから”って涙を流しながら手を握ってた。」



それを陰で見ながら…



嫉妬と怒りが入り混じった感情が湧いてきた。




そんなモノを感じた自分が…世界で一番汚い生き物な気がして、全部…全部。



「全部、親父のせいにしたんだ…」



どうにか自分を正当化したくて、綺麗でいたくて、悪い事は全部親父のせいにしたんだ。