「違う、今日から教育実習」

タメ口に関しては何も気にせずサラリと答える彼にちょっとイライラした。

『へぇー、学校の先生になるの?』

「まぁね」

『ふーん』


~会話終了~


話す事をそんなになかったし私は別に気にしていなかった。

『そろそろ行ってくるねー』

カバンを持って靴を片一方ずつ丁寧に履く。
それが私の習慣だった。

「まって、俺もいく!」

急いで走って玄関に駆けつけるお姉ちゃんの彼氏は教育実習生にしてはやっぱり真面目とは遠かった。


『いってきまーす』

私はシカトして家から飛びだした。



また今日一日が始まるのだ。



苦痛でしかない。




「待ってよ。
悪いけど、案内してね」

『どこに?』


私は即答だった。
その会話の間はわずか一秒を欠けていた。


「薫の学校に決まってるだろ」











『え゛っ?????』




どういう事?