「お前、名前は。」

「はい……?」

「だから、名前を聞いてんだよ。」

名前を言った所でどうするつもりなの??

「早く答えろ!」

「ひっ……!」

光の目が私をきつく睨んでいる。

そんな目で睨まないでよ……。

「雨月…奈々……。」

「奈々って言うのか。」

光は、私の目の前に来た。

な、何なの……?///距離が近い………。

「俺の女になれ。」

何を言うかと思ったら、そんなことか……。

………って、え~っ!?

「お前、気に入った。」

「な、何が言いたい…のっ……んっ!」

私の唇は光の唇で塞がれた。

……キ、キスされてる!?

私は、勢いよく光から離れた。

「な、何するの……!」

「何って、キスに決まってんだろ。」

クスッと光が笑うと、いきなり私の手をつかんでどこかへ歩きだした。

「総長、どこへ行かれるんっすか!?」

部下が答えると、光は黒い車に私を無理矢理のせた。

「俺たちのアジトへ連れて行く。その間、アジトへ誰も入れんじゃねーぞ。…明、運転しろ。」

「分かりました。」

明って……光のいつも傍にいる、あの優秀な相田 明!?

ちょっと待って!?

明って人が運転するつもり…?

15歳なのに、運転なんて出来ないはず!!

「嫌っ…、死にたくない!」

「こいつなら大丈夫だ。」

私の隣に座りながら光はそう言った。