奈々は、またクスクス笑って俺に手を差し伸べた。


「………?」


「握手。」


「は?」


「だーかーらー、仲良くしてやってもいいってこと。」


……何か俺、上から見られてるし。


っつーか、ガキかよ!


「仲良くなんてしねーよ!お前は俺のおもちゃでいればそれでいい!!」


「ケチ~。指輪、ちゃんと持っているんでしょうね??」


………。


無くした、なんて言えないよなぁ。


「あ、当たり前だろ………!!」


「なら、良かった。」


結局俺は、指輪を無くしたことを秘密にしてしまったのだ。