あの女…、雨月 奈々って言ったな。まじうぜーっ!
いきなり人を殴って何なんだよ!?
光っていう男の彼女だからって、ムキになりやがって。
俺が総長ってことに不満があるらしいな。
そっちがその気なら、こっちにも考えがあるんだよ………。
俺は、荒れた教室の後ろで指輪を見つめていた。
……俺のじゃないけどな。
あの雨月って女が落として行ったものを拾っただけなんだけど。
それにしても、安そうな指輪だな。
……だせーっ。
そーせ、光って奴にもらったんだろ………。
この時、俺は頭の中で悪い案を思いついた。
「……、おい!」
俺は近くにいた部下を呼んだ。
「はいっ!なんでしょうか!?」
・・・頼りなさそうな奴だが、まぁいいか。
「・・・雨月 奈々って女を連れて来い。」
「な、奈々さんですかっ!?」
…あぁ、そうだよ。
部下は、一瞬戸惑っていた。
何だ?何か不満でもあんのか!?
「……分かりました。」
部下は、急ぐように教室を出て行った。
そんなに、奈々って女をかばっているのか??
ふんっ…、バカバカしい。
……ムカツク。