「あ、葵ー。」 「千里さん。困ってるだろ。」 葵くんがこっちを見ながらそう言って指差す。 「っ?」 な、に、これ。 ちょっと目が合ったら心臓がキューって掴まれたような感覚……。 「腹減ったから早く。」 「はいはい。お母さんを睨まないのー!」 そう言って綾のお母さんは私をパッと離してイタズラにニコッと笑った。 「じゃあ、千里ちゃんにはキャベツの千切りをお願いしようかな♪」 「はい!」