あの事件から2年の歳月が経った。

アラナは2年の間により美しくなった。
歳のわりにはどこか大人びていて、綺麗な容姿には更に磨きがかかっていた。

そんな彼女を知る者は屋敷の者しかいない。
もしかしたら、存在を知らない者も居るかもしれない。

何故そのような事になっているのか。
理由は至極簡単なこと。

あの事件以来、彼女は地下の隠し部屋に監禁されているから。

風呂もトイレも部屋にあり、食事は質素だがきちんと運ばれてくるため、彼女は不自由なく暮らしていた。

ただ、人と接することが無くなり、日の光を浴びることも無くなった彼女は、自然と表情を無くしていった。

そして毎日を部屋に大量にある本を読んで過ごした。