「貴女の…その…力は…"月の力"」

話すことが辛いのか途切れ途切れになりながらも伝えようとするノーラ。

『姉様喋っちゃダメ!!』

傷口は光の力で塞がってはいたが、血を流しすぎたようだ。
段々と顔色が悪くなっている。

「私も…詳しくは…知らないの」

「いつかわかる日がくるわ。それまで貴女は生きなさい」

その言葉を最後に彼女は動かなくなった。

『姉…様…』

アラナはそうポツリと呟いて、何かを決心したような顔で呟いた。

『私の力は異形…誰にも見せちゃダメ…』

『姉様が救ってくれた命…生きなきゃダメ……』

それからアラナは家の者が来るまで姉を抱きしめていた。

その翌日は悲しくもアラナの10歳の誕生日だった。