アラナが誕生して10年の歳月が過ぎたある日、事件は起きてしまう。


朝、何時ものように起きると隣で寝ているはずの姉『ノーラ』が居ない。

『姉様、どこにいるの?』

と、部屋に呼び掛けても返事は返ってこない。不安はだんだんと増していった。

意を決して部屋の外に出てはみたもののすぐにここが何処なのか判らなくなってしまった。

『(こんなことになるんなら部屋で待っていればよかったわ…)』

迷ってしまっても立ち止まってはいられないので、アラナは再び歩き始めた。