何かあれば来るのはここだ。

小さな子供のころから俺は何一つ変われていない。

夕陽を眺める勇気がなくて、土管の中で膝を抱えた。


ショック、だった。


あんなに一方的に悪者にされるとは思わなかった。

力でねじ伏せられるなんて、初めてだった。


あそこまで言われても、耐えなければならなかったのか。

耐えるのが常識なのだろうか。

相手が小学生だから?

女だから?

小学生は、女は、何を言っても許されるのか。

こういうの、理不尽って言うんじゃないのか。


掴まれた肩が、疼く。

でもそれ以上に、心がバラバラに砕け散ってしまったかのように痛い。

喪失感に襲われる。


俺が、悪かったのだろうか。


「涙も出ねえや……」


腹も減らない。

何をする気も起きない。

日が暮れて夜が満ちるのを肌に感じながら、俺は随分長いことその場から動けなかった。