残された俺と親父は、しばらく無言で立ち尽くした。

洗濯機の回る音がやけに響いている。

そのうち優子が階段を昇ってくる音がしてきて、親父は言った。


「あんまり優子ちゃんを困らせるな」


そして一度も俺を見ないで部屋から出て行った。

まもなく帰ってきた優子に、頭を下げられる。


「本当に、すみませんでした」


「……いや、俺が悪かったんだ」


「斗馬さん……」


「今日、晩飯いらない。ちょっと出かけてくる」


とにかく、ここにいたくない。

制服のまま、ふらっと外に出た。