「ありがとう。こんな話聞いてくれて、真剣に考えてくれて」
「こちらこそ、秘密にしてたこと話してくれてありがとう。
でも秘密にしてることないよ。お家のことも、新しい家族のことも。
さっきはごめんね。優子ちゃんがあんまり大人びてるから、つい」
「……あんなだけど、中身は意外と子供らしいところもあるんだ」
「あ、今の服織女くんお兄ちゃんみたい!」
からかわれて、久しぶりに心の底から笑う。
「もう家族になれてるんじゃない?」
「どうかな。まだまだって気がするけど……」
「家族が増えるって素敵。私、応援してるから!それと、」
目の前で、小さな丸い頬が、だんだん淡く染まっていく。
「よかったら、優子ちゃんとお友達になりたいんだけど。いいかな?」
花のほころぶようなこの微笑みを前にして、断れる奴などいるだろうか。
むしろこちらからお願いしたいくらいだ。
優子もさぞ喜ぶだろう。