なにはともあれ、服織女家と龍ヶ崎家、勢ぞろいである。
これって引っ越しの日以来のことじゃないか?
とすると、こうして四人でちゃぶ台を囲んで夕飯を食べるのは二度目ってことになる。
まだ、たったの二度目だ。
それでも前回とは雰囲気が全然違う。
「今日のお味噌汁、斗馬くんと優子が二人で作ったんだよ。ね?」
「斗馬さんが教えてくれました」
「本当か!通りで美味いわけだ。二人の愛を感じる」
「なにが愛だ、馬鹿言ってんじゃねーよ!」
自然と会話に加わることができる。
三人を見ている一人、じゃなくて、四人でいるうちの一人になれている。
一人で気楽に食べる深夜のインスタントラーメンは美味かった。
でも。
「斗馬、ちゃんと食ってるか?」
「私の肉巻き一個あげるよ!斗馬くん育ち盛りだからたくさん食べないとね」
「斗馬さん、よかったら私のも……」
こんな賑やかな手作りの食卓も、悪くない。
悪くないな。