「そうね・・・」
やっといつもの顔に戻ると中堂志はちらりと早苗を見た。
「早苗さんの前だと、なんだか素の自分になれるのよ。」
早苗さん???
素の自分???
中堂志は恥ずかしそうに長い髪の毛をくるくると指先で回している。
「喧嘩ばかりだけど、楽しいわ。・・・これが真の友達ってやつかしら?」
ズキューン
あっ、
早苗が撃(ウ)たれた!?
面白いくらいにみるみる赤く染まる早苗の顔。
そりゃあ撃たれるわ。
直球過ぎて、胸に響いたことだろう。
思わぬ展開に俺も心吾も固唾を飲む。
まさかあの二人が・・・?
だが、そう簡単にいかないのが早苗だ。
「ま、毎日喧嘩してたら、身がもたないし!!わわわ私もう行くね。」
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