「しょうがない。俺が行くよ。」
俺は膝をさすり腰を上げた。
早苗には負けてしまうが、まぁいいや。
放課後は心吾にも手伝ってもらえばいいし。
そうしなきゃその場から動きそうにない。
構わないでと言われても構ってしまうのが心吾なのだ。
「ホントか!?ありがとう!!」
心吾がお礼言う必要ないのに嬉しそうにそう言った。
「竜希ー?」
早苗だ。
さっきからずっと俺を待っているのだ。
「放課後は俺がするからいいよ。」
「急に・・・なんで?」
面白くなさそうに口を尖(トガ)らせる。
「中堂志さん、移動教室のこと知らないだろ?」
中堂志の名前に早苗の眉が吊り上がった。
「俺が教えるよ。」
「竜希が教える必要ない。アイツが自分で誰かに聞けばいいじゃない!!」
中堂志が自分で聞くわけないじゃないか。
それに親切に教えてくれると思われる人は心吾以外に見当たらない。
完全に孤立していたのだった。
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