"俺が教えてもいいんだけど、椿ちゃんの前で誓（ﾁｶ）っちゃったしな"

頭をかきながら苦笑いした。


心吾は優しいヤツだ。

俺もよく優しいと言われるがそれと全く違う。

平和なのが好きなだけの偽善者な俺とは違うんだ。



どんなに冷たくされても、
自分に損なことだって関係なく、


心吾は相手を思いやる。




貧乏くじを引いたって、笑って"こんなときもあるさ"って言うんだ。




今回は自業自得とはいえ、中堂志に酷い目にあわされている。

にも係（ｶｶ）わらず、特等席から動こうとしない彼女を心配していた。


人柄がいいのか。

馬鹿なのか。


嫌われても、無視されても、なんとなくこのクラスに居場所がある。

それはそんな心吾だからだった。


，