「涼、心吾、ごめん。先に行くな?」


二人に断りをいれて、走り出す。

左足を大きく踏(フ)み出し、重心が前に傾いた、


その時!!


「ちょっと待ってくれ!!」


心吾が大きな声で俺を呼び止める。


バランスを崩(クズ)し、左膝(ヒダリヒザ)を思いっきり床にたたきつけてしまう。


「いってー」


あまりの痛さに悶絶(モンゼツ)した。

俺の膝死んだかも!!

「た、竜希、大丈夫か?」


おまえのせいだぞ、心吾よ。
小さく睨みをきかせる。

心吾はそろそろと俺に近寄り、耳元で話しはじめた。

「ごめん。・・・椿ちゃんどうしようかと思ってさ。」


「どうしようって?」


「転校生だから移動教室のこととか知らないと思って。」