俺達もそろそろ行かないとヤバい。
早苗達のグループも教室に駆け込んできた。
「竜希!!私より遅かったら、放課後宿題、河口に届けるってことで。」
「はぁ!?何で俺?」
「毎日委員長だからって、私、可哀相じゃない?」
ってだから何で俺???
教室にはまだ何人か居るんだから皆ですればいいのに。
理不尽(リフジン)過ぎる・・・
「じゃ、私行くから。早くしないと、私って結構足速いのよ〜?」
教科書と筆箱を取り、くるりと俺の方に向き直ると、満面の笑みでそう言った。
「待てよ!!」
俺は早苗を追いかけるために急いで教科書とシャーペンを掴(ツカ)んだ。
放課後まで使われてたまるもんか。
早苗なんて簡単に越せる。
早苗は律儀にも引き戸から顔を出して俺が追いかけるのを待っていた。
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