そして何か書きはじめた。

シーンとした教室内に

カッカッカッと

黒板を打つ音が響く。



「中堂志 椿(ナカドウジ ツバキ)」


黒板に書かれた名前をそのまま読み上げる。


「嫌いなことは、干渉(カンショウ)されること。」

ふぅと一息つくとまた続ける。


「だから私に構(カマ)わないでちょうだい。歓迎会なんて問題外よ。」


なんて言うんだろうか。

きっつ〜

その言葉が1番合う気がした。


早苗以上のヤツが来ちゃったかもしれない。


みんなそう思ったんだろう。
転校生に歓迎の声をかける人は現れなかった、

というかそんなこと忘れるくらい皆、呆気(アッケ)にとられていたのだった。



「そ、そうか。じゃあ席につけ。」

ちょっと引きぎみの河先が廊下側の1番前の席を指差す。