何てことだ―――…
森本が……?
いや、シールを持っていただけで犯人扱いするのは間違っている。
僕は額を押さえて思わずソファに深く背をもたれた。
「あの…そのシールが何か問題なの?」
結ちゃんが怪訝そうに聞いてきて、
「いや…ちょっとね」
僕は鏡を返しながら曖昧に笑った。
「このシールはどこで買ったものか分かるかな」
僕が聞くと、「さぁ」と結ちゃんは首を捻る。
「あの子がこんな洒落たもの持ってるなんてピンとこないから分からない」
「森本が行きそうな店とか知らないかな。あー…でもたくさんあったのならネット通販かもしれないな…」
僕が独り言のようにブツブツ唱えていると、
「今わかんないけど、家に行ったら袋か何かあるかも。
調べてみるよ」
結ちゃんがそう言ってくれた。
「ありがとう、助かるよ」
僕が顔の前で手を合わせると、
「深刻そうだね。急いだほうがよさそう?」
と結ちゃんが眉を寄せて聞いてくる。
「いや!大丈夫っ
森本が居るときだったら調べ辛いだろ?
調べてくれるだけで充分」
「今日いないよ、エミナ」
そう言われて僕は目を上げた。
え―――……?
「今日居ない。あの子、予備校の日なの。
明日明後日とカテキョだから、調べるとなると二日後になるかも」