『俺の亜実に何か用?』 怖い目付きだった。 今まで見たことのない、俊だった。 『あっ、いや、特にその……まあ今日はいいや。また…』 走り去った、男の子。 いつものムードメーカーな俊の顔ではなかった。 『さっきのあいつ、誰』 「あ、の…」 知らない、人。 そう言いかけたけれど、言葉が上手く出ない。 その強い視線と、強い口調に、 私はあっけにとられてもいた。