『マジで!やったあ!!』


彼の、喜ぶ顔。


大会の後片付けをしている整備員なんか、知らないかのように
席の真ん中で私を抱きしめました。


『今日の服、似合ってる。かわいいよ。……シュート決めたとき、すぐ亜実を見つけたよ』


「しゅ、俊……」


いきなりでびっくりした。
でも、ちょっぴり汗ばんだユニフォームも、
なぜか心地よく感じられたんだ。


『亜実は俺だけの亜実だから。絶対、幸せにする!』


背が、わりと小さめの私。
背が、そんな高くない俊。


だけど、私が見上げるには少し距離があって。
なんだか、つつまれてほっとした。