「どこに住んでるの?」


サンドイッチを噛んでいた口が止まる。


どこに…住んでる…。


その言葉に、晴れていた気持ちが雲っていく。


それに気づいたのか、渓は私に不思議そうな目を向けた。


「…そろそろ戻らなきゃ学校間に合わなくなるから」


食べかけのサンドイッチを袋に放り込み、立ち上がる。


「また会ったら話そうね」


私に手を振る渓をチラっと見た後、少しだけ口角を上げて歩き出した。