それに気付き顔を上げると、いつの間にかコンクリートに囲まれた地下駐車場にいた。


陽介が鍵を抜きドアを開けたので、私も慌ててシートベルトを外して車を降りた。


「ここどこ?」


ヒールの音がコンクリートに反射してやけに響く気がする。


「マンションの駐車場」


マンション…?


「って、陽介の!?」


驚いて大きくなった私の声がこだました。


「そのまま遊び行こうと思ってたんだけど、猫に餌やんねーといけないからさ」


猫?


陽介が猫を飼ってるなんてすごく意外。


猫より犬って感じの顔してるし。


いや、むしろ熱帯魚って雰囲気だ。


そんなよく分からない陽介のイメージを思い浮かべながら、エレベーターに乗った。