「ガキの頃、欲しいのに欲しいって言えなくて誰かに気付いてもらうの待ってたりさ」


あぁ、確かに良くあった。


それで気付いてくれるのはたいてい陽介で、いつも言わなきゃ分からないって怒られてた。


「でも、それとこれは違うよ」


「違うようで違くなくね?好きだって言わなきゃ分からない」


「は!?告れってこと!?」


そんなん絶対無理!!


陽介はフロントガラスを見つめながら笑う。


「そういう早とちりも変わんねーな(笑)直樹にじゃなくていずちゃんに」


あ…そっちね…って、それも無理だし!


「お前はさ、何でいずちゃんに言えないの?」


何でって…。


「いずちゃんが初めて好きになった人だから…」